12月の館長たより

                       館長 雨貝行麿

 

 

 札幌の大通り、テレヴィ塔そばで「ミュンヘン・クリスマス市」が開催されています。北星学園
女子中学高等学校の聖歌隊がオープニングで讃美歌を歌いました。寒い夕べでしたがとても意義の
ある賛美のご奉仕です。ありがとうございました。

わたしどもの周辺では、静かな歳の瀬のようですが、周辺世界に心を向けますと今年もまたなん
と悲惨な出来事に遭遇しているひとびとの絶えないことでしょうか。

クリスチャンセンターでは1124日(月)の休日に、『アメリカばんざい』(藤本幸久監督作品)
という映画を上映しました。アメリカのみならず多くの青年たちが、ごく平凡な日常生活を失い、
未来さえも見つけることが出来なくなった、「この現実をどうするのか」という人としての無言の
問いかけを映像は語りかけていました。青年が未来をうしないということは、世界が未来を失うこ
とですね。

12月は、また忘れてはならない日があります。128日です。かっての日本がアメリカとの戦争
を始めた日だからです。「パールハーバー」というアメリカ艦隊の軍港で、日曜日の静かな朝、
「阿鼻叫喚」の世界がうまれたのです。日本では、しかし、すでに数年間にわたる戦争の時代が続
いていました。戦争があたりまえになっていたのです。だんだん夫、息子、そして父たちの死を
「お国のための名誉」として受け入れることに慣らされていったのです。いや当然のこととして受
け入れていたのです。そこでアメリカとの戦端を当時は「奇襲攻撃」といい、多くの人々が「万歳」
しました。原油生産は日本の
700倍を超えた国家との生死を賭した戦争の実態を知らなかったので
しょうか。ごく普通に考えてあたりまえなことではありませんので、そんなことを二度としてはな
りません。

1124日(月・祝日)には当センターが北海道キリスト者平和の会と共催して映画会『アメリカば
んざい』(
120分)を上映、青年たちがその未来に絶望するばかりか、命さえ失う現実が今日続い
ているのです。それは、その社会そのものが未来を失うことになるのです。         
11月
29日(土)は札幌YWCAが当センター・ホールでのバザーでした。大層な盛況でした。かって
Y(?!)の方々も応援しておられました。そのテーブルで私は、小さな、大事なものを見つけま
した。それは
10センチ方、手のひらサイズの印刷物、「日本国憲法9条」が掲載された印刷物です。
そこに「戦争の放棄」として「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際社会を誠実に希求し、国権
の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこ
れを放棄する。」とありました。これがアジアに関係諸言語、韓国語、中国語、タイ語、ロシア語、
そして英語で印刷された小さなパンフレットです。小さなものですがなんと志の大きなことでしょう。
中国語では、「漢字」ですので少し読むことができます。「日本国民は衷心より求めること決心した
ことがある」として「永遠に放棄する、戦争、武力行使を」とした言語が印象的です。バザーの賑わ
いの中で、
YWCAの方々の志のあるところを証しされておられました。

さて、ご健康はいかがですか。今年は1221日が日曜日、教会では「クリスマス礼拝」が捧げられ
ます。そして
24日がイヴ礼拝となりますが、「地上に平和を」一層熱心に祈りたいものです。そろそ
ろ、日曜日に、お住まいの最寄の教会の礼拝の時間にお出かけください。