館長の言葉
中国訪日団(基督教三自愛運動員会を中心に)の方々とお会いして
11月初旬中国キリスト教プロテスタントの中心的な担い手、「基督教三自愛運動」の関係
者の方々と淅江省、抗州、重慶の牧師の方々5名の方々がNCC(日本キリスト教連合会)
のご案内で札幌を訪問されました。空路上海から札幌3時間とのことでした。何故訪問地
を「札幌か」との問いに、にこやかに『北の国から』に惹かれてとのことでした。時節柄
ではありますが終始和やかな懇談会でした。歓迎した札幌側では札幌キリスト教連合会の
大町信也聖公会司祭の歓迎の辞、日本キリスト教団北海教区議長久世そらち牧師は中国語
で挨拶され、目を見張らせました。竹村泰子氏(札幌YWCA会長・元参議院議員)が過去
の歴史をわすれず、中国のキリスト教徒そしてキリスト教会との絆を強めたいと薦められ
ました。
そもそも「三自愛運動」とは中国の歴史のなかでYMCA、YWCAなどの担い手が中心になっ
て設立されキリスト教の活動で「1.自分たちで養う。2.自分たちで自立する。3.自
分たちで伝道する.」という立場で活動しています。「文化革命」で弾圧されながら今日で
は、いわゆるローマ・カトリックや家の教会(地下教会)とは区別された公認宗教です。
13億の人口の中国では、2千万の信者、聖書頒布5千万冊、20の神学校、1万人の
神学生、19万人の信徒ヴォランテアー、主日礼拝には都市部では数千人とのこと、礼拝
説教は直ちにDVDを作成して配布しているとのこと、活動の体制が整備されている様子が
語られました。しかし、人々が仕事を求めて都市部に集まり農村が過疎化しはじめ、相互
に格差がうまれているので相互扶助体制を作り始めているとのことです。
さらに福音宣教とあわせて力を入れている分野、社会と政府からの期待は、社会福祉の
分野で、これを一層強化していきたいので今回札幌の「神愛園」を訪問したい、とのこと
でした。
また、中国社会の急速な発展に取り残されがちな分野があります。社会活動social-
actionで社会のひずみに対して迅速な支援ができるようにしていきたい、ということでした。
自養、自治、自立という三自愛運動としての自覚と認識を明確にしながらのプロテスタン
ト活動なのでナショナリズムとも兼ね合いをつけて、現実に対して柔軟に、しかも未来に
ヴィジョンを抱いている様子が感じ取れました。
わたしどもの中から「過去を変える事が出来ないが未来は創りだすことができる」との
発言に抗州の教会牧師で連合会の会長の方は、おもわず小さく「アーメン」と共感・唱和
されていたことがわたしには心に残りました。
日本きりスト教団北海教区は台湾長老教会との協約を結び、宣教師をうけいれています。
すでに2期目をおえています。人と人とが、笑顔であうことによってその視野をひろげ、
あらたな宣教への連携を強くしていくことができる時代です。航空機に発達は大きく寄与
しています。
東アジア全域におけるコミュニケーションの手段としての言語が隘路になっています。
中国語、台湾語、韓国語そして日本語、これは次の世代でもまだ改善されそうにもありま
せんね。どうしましょう。
雨貝 行麿