館長の言葉

北海道クリスチャンセンター元館長であったロバート・S・バーカー宣教師さんが57

日(土)逝去されました。つつしんでお知らせいたします。

札幌北光教会礼拝堂で告別式、13日(金)18:30、葬送式14日(土)9:00

説教者には後宮敬彌牧師、葬儀委員長雨貝行麿牧師で行います。

北海道クリスチャンセンターは、1951年(昭和26年)秋、設立されました。当初の名

称は「北海道基督教会館」でした。戦後の精神的な再建のために、教派をこえてキリスト

教徒たちを訓練して、信仰的にもまたより一層広い知見を育成して、福音宣教の広範な働

きを活発にするための役割を期待されました。ときあたかも、北海道のプロテスタント・

キリスト教においては日本キリスト教団(以下「教団」)の諸教会のなかにあった、旧長老

制のグループの多くが日本キリスト教団から「離脱」しました。そのとき、当時の教団の

中心的な担い手たちは「北海道基督教会館」の働きと連携していこうとこころざしました。

バーカー宣教師は、この方向を積極的にうけとめ、その協同する働きをするために迎えら

れました。1954年のことです。その時点で教団の北海教区の宣教と連携する、という方向

が自覚的にとり、バーカー宣教師はこの方向性を保持しつづけました。

 当初、当会館を拠点として、クリスマス讃美歌を歌う会、常設の讃美歌を歌う会、英語

の聖書を学ぶ会、英語での礼拝、キリスト教講座、フイルムライブラリー、ラジオ伝道、

文書伝道、各種奉仕団活動、働く女性の会、YWCAなど、多岐にわたる活動が始められま

した。改革期日本の社会のニーズにこたえて活発になされました。おおくの人々の善意と

支援がなされるところとなりました。人々のタレント、働きがささげられました。青年た

ちがあらたな知見と経験を共有する場になっていきました。未来への橋渡しができ始めま

した。

やがてこれら多岐にわたる諸活動の企画、推進のディレクターの役割を創設、「主事」を

おくことになりました。バーカー先生の寛容な人柄のゆえに、歴代の主事たちの個性が発

揮されて、活動プログラムが精彩をはなちはじめました。

 やがて、アメリカのキリスト教宣教団からの財政的支援が、年次的に削減がはじまりま

した。この状況に対しては、当会館はそれまで実施されてきた宣教諸活動を暫減し、休止

の方向をとるのではなく、むしろ宣教の諸活動を発展させようとその方途を探り、その組

織をととのえはじめました。当館が海外宣教団や宣教師個人の働きではなく、教団・北海

教区としての働きとして位置づけ、さらに機能させようと努力し始めることとなります。

 この宣教活動の位置と方向性は、今年センター創立60周年になる、2011年度の北

海教区定期総会において、機構改革の一環として、教区規則において明確に明文化されま

した。ハレルヤ!

 バーカー宣教師を天におくるわたしどもは、首を垂れているのではなくて、同氏が育て

た北海道クリスチャンセンター聖歌隊が奉仕をする讃美歌のユニゾンとともに「心を高く

上げよう(スルスム・コルダ)、力の限りに」と、慈しみ深き神にご栄光を帰するものです。

                                  雨貝 行麿