館長の言葉

東北地方を中心とした大災害が起こり、今3カ月たちました。

災害直後、北海道クリスチャンセンターではただちに「募金活動」をはじめました。つ

づいて、東北への運送手段が途絶していましたが、新潟教会を拠点に支援活動の拠点をお

いたとの情報を得て、当センターで宿泊する方々のためにストックしている日常品をダン

ボールにつめて送付し、さらに「北海道キリスト者平和の会」と共同して、緊急に必要と

思われる日常品をリストアップして買出しに走りました。興部伝道所の牧師伊藤大道(ひ

ろみち)さんが当センターから救援品をも積み、フェリーで大船渡に向かいました。

やがて教区幹事日向恭司さんが奥羽教区、東北教区等の教会堂の被災状況がメールされ

ました。各個の実際状況はわかりませんでしたが、他の個々のメールから個々の被災状況

が鮮明に判明してきました。センターのスタッフは日常業務のなかで支援物資の整理をし

ました。札幌元町教会牧師浅居正信さんが出かけていきました。北海教区議長久世そらち

さんが盛岡の奥羽キリスト教センターに向かいました。

 つづいて日用品の購入に、余市教会牧師小西陽祐(ようすけ)さんが夫人真理子さんが

札幌市内のスーパーをまわりました。実はこの時点で札幌市内の大手スーパーでは日常品

がすでに品薄になっていました。お二人が購入した日常品をダンボールにつめはじめて初

めて気づいたことがあります。この瞬間まで、「男たち」ばかりでしたから、日常に必要な

品々が「女性の目線」ではまったく見ていなかった、だから「女性に必要な品」が発送さ

れていなかったということです。

つづいて当センター・スタッフの下村晃司さん、つづいて主事板谷良彦さんが札幌北光

教会会員の北川健一さんを共にして出かけました。北川さんは函館までの運転の補助のつ

もりでしたが、大船渡まで行くことにしました。

日本聖公会北海道教区の司祭の方々も教区をあげて活動をはじめました。

すでに別途留萌宮園伝道所牧師三浦忠雄さんが独自に支援にでかけていました。釜石新

生教会を拠点として支援活動を恒常化しはじめています。YWCAでは福島県新地に拠点を

設け、子どもたちの心のケアに取り組むことになりました。

札幌の超教派の連携する札幌キリスト教連合会は、過日総会を開催した際、日本聖公会、

日本バプテスト連盟では組織的に活動体制を造り上げ始めたことが報告されました。

また札幌市内にある単立(個別に創立された)教会が連携した北海道クリスチャン宣教

ネットワーク(略称「ホクミン」)は今回の災害の支援活動を継続して当センターでの早朝

祈祷会と連絡、情報交換を行っています。OMFでは宮古に災害支援センターを立ち上げ常

駐の支援活動を2年間する手はずをととのえつつあります。

当センターは支援物資、ヴォランテアースタッフを急募しています。

この大災害では大地震にはじまり、大津波がおしよせ、さらに太平洋側に設置されていた

原子力発電所が破壊され、放射能によって汚染がされはじめました。放射線の力は、人間

の生命体に深刻な悪影響を与えるばかりか、子孫にまで取り返しのつかない悪い結果をも

たらすものです。今後の事態の推移をしっかりと観察して、人々の生活の再建を自分の

こととして考えなければならない。

                                  雨貝 行麿