館長の言葉

今年11月5日(土)に北海道クリスチャンセンターは60周年を迎えます。

設立は1951年です。ようやく大戦をおえて日本の平和的、民主的再建を図り始めた

とき、アジアで、すでに「冷戦」は始まっていました。前の年50年、朝鮮半島で戦争が

はじまりました。これらと前後して、アメリカ長老教会の宣教団が中心となって宣教師の

方が派遣され、日本キリスト教団北海教区が運営委員会をつくって「北海道基督教会館」

を設立しました。その直後に、北海道では当時の日本キリスト教団から日本キリスト教会

のいわゆる離脱問題がおこっていました。

当センターの働きは、戦後の民主的な市民社会の担い手としての信徒の育成強化をはか

ることでしました。そのためにキリスト教会の宣教活動との連携をして多岐にわたる企画

とその実施をし始めました。当時の社会情勢から、英会話、演劇、新しく出版された讃美

歌の普及・演奏、聖書研究会、各種の奉仕活動、在日韓国教会、働く婦人の会など大層多

岐にわたり、またそれぞれの分野での先駆的な働きをすることとなりました。

 これらの活動を恒常的に発展・育成することが図られて、1961年主事(director)を

置くようになりました。まもなく日本も経済成長期にはいりました。青年たちが連携して

活動をはじめるようになり、より広範な活動を展開する拠点として、1963年「北海道

クリスチャンセンター」と名称を変えました。

 子どもたちの保育の面での相談活動、キリスト者医科連盟の結成、そして靖国国営化法

案阻止のための各宗教をこえた、同時にキリスト教の各教派をこえた連携は、法案阻止の

ための重要な働きを担いました。その成果は、札幌キリスト教連合会の活動を強化するこ

ととなりました。

1980年代から2000年にかけて、人事配置を整備し始めるとともに、公共的な機

関として整備するための、さまざまな規約を作成して将来にそなえました。

 その後、主事がかわりましても基本方針とも言うべきことは、継承され、いっそうの具

体的な活動での発展をして今日を迎えています。

 60年といえば2つの世代をおえ、第3の世代に引き継がれます。この間多くの方々の

助言と支援をうけたことを改めて感謝いたします。

 神は、正義と公平を求めイエス・キリストをこの世界に遣わし十字架においてあがない

の業を完成されて真実の平和をもたらしました。その実現はわたしどもに完全に委託され

ています。心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くすことを神に誓いたいと集っています。

 今、神のつくられた世界は混迷にみちています。だからこそ祈ります。神に栄光、地上

に平和を。

 神につくられた人々は不安をいだいています。だからこそ祈ります。正義と平和が行き

わたることを。

 神ご自身は目には見えませんがすでにお働きです。すべて真実なこと、すべて尊いこと、

すべて正しいこと、すべて純粋なこと、すべて愛すべきこと、すべて名誉なこと、心にと

めたいものです。これらを実行すれば平和の神があなたがたとともにいる。

 わたしどもは北海道クリスチャンセンターが、この世界と時代のなかで一層用いられま

すように祈りましょう。

主は人の一歩一歩を定め、み旨に適う道を備えてくださる。詩編37:23 

                                  雨貝 行麿