2007年4月の言葉              館長 藤原 亨

 

☆新しい年度を迎えました。主の豊かなお支えと多くの皆様方のご支援をいただき旧年度の歩みを終えることが出来、感謝しております。本年度も旧年度に倍してお祈りとお支えをくださいますよう心よりお願いいたします。

☆センター運営につきましては、例年とほぼ同じように研修室の利用は増加し、宿泊者は減少の傾向に推移しました。独自の事業として、6月に「創立55周年記念講演会」(講師:三浦光世氏)、9月の永眠者記念礼拝、2月の沖縄平和ツアーなどです。施設面では、2階床の張替えと一部椅子の入れ替えをし、利用者が少しでも疲れないで気持ち良く利用いただけるようにいたしました。一方で管理維持費の軽減に努め、無駄な電力を使わないように工夫したりしております。

☆2月の沖縄平和ツアーに同行しましたが、その時感じましたことを遅ればせながら幾つか記します。

沖縄行きは、今回で3度目になります。前の2回は少なくとも25年〜30年位前でしたので今とは沖縄の社会状況も全く違っていたように思います。那覇空港も今のように大きくはなかったし、街には米兵が溢れていました。お土産にアメリカ産牛肉を安く買えたように記憶しています。

今回訪ねた所は、佐喜真美術館(丸木位里・俊夫妻の巨大な「沖縄戦の絵」が常設展で見ることが出来る)、糸数壕、基地では普天間と嘉手納、ひめゆり平和記念資料館、米須海岸(南部の激戦地)、それに普天間基地の代替地として問題の辺野古海岸が主な訪問地です。辺野古では24時間テントで見張りを続けている人々としばし交流し、反対闘争の経過などのお話を聴きました。率直な感想は、あの綺麗な自然を破壊してまでどうして滑走路が必要なのだろうかということでした。前回の時よりも強く感じたことは、普天間も嘉手納も基地の周りの建物が前よりも多くなっており、近くに住んでいる人々の生活がどれほど犠牲を強いられたて来られたかを思うと、本当に申し訳ない思いに満たされました。

3月25日の朝日新聞の書評欄によると、元防衛庁幹部3人が著した「我、自衛隊を愛す故に、憲法9条を守る」という本の紹介が記載されていました。それによれば、今政府や自民党などが目論んでいる改憲は、「自衛隊を認めるためではなく、米国に追従した海外派兵が目的であること。国際貢献の名の下に海外派兵をしなければ非難されるなど嘘で、日本は平和国家として世界の尊敬を得ているし、自衛隊員も専守防衛を誇りに思っていること。国防と名誉の観点からこそ改憲は阻止すべきだと彼らは主張するのである」と記されておりました。大変興味深い著書であると思います。

世界に稀な9条を持つ現憲法を生かしてこそ世界に平和を発信できる国、日本という国の存在価値があるということを痛感させられました。日本には多くの人々を不幸にする軍事基地は必要ないとつくづく思わされています。