2006年3月の言葉

遅れをとりもどす

 このところ、月半ばにもなってこの欄の文章を書くという状態がつづいていました。前月末に書くというところに、何とかもどれそうなのでよかったと思っています。 

心のゆれる月

 3月は私が何となく好きな月です。街路はヒタヒタと雪どけ水に浸り、若い人々は進学や進級の準備をします。親子がつれだって入学用品を整えるため町に出るのはこの季節です。きびしい寒さは去って少し浮き浮きする季節。雪どけの3月にはそんな趣きがあると思います。

 しかし、誰もがそうではありません。希望したコースで進学できず、浪人を覚悟した人、いくつかの挫折を味わって苦い杯を飲む思いの人、苦しみの彼方に幸いが待っているかも知れないが、やり場のない今の苦しみをどこに向けたらよいのか、そんな思いの方も少なくなくおられます。進学などのことばかりではなく、人のもつ悩みは深い。春は心のゆれる季節。少し辛い季節であるかも知れません。 

自分を大切に

 キリスト者は自分を捨てて他者を愛すべきでしょうか。「自分自身を愛するように隣人を愛しなさい」(レビ記1918)。自分を愛することが否定されていない、とこの頃、思うようになりました。

 皆様ご自愛下さいますように。どなた様にも主の祝福がありますように祈ります。

館長 中山洋一