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Logos 今月の言葉


2015年 9月 館長からのメッセージ
  
 

 

 今年は新しい人々が登場しはじめました。
 青年たちの登場です。青年たちが、ほんとうに、ひしひしと感じ始めたことは、日本が戦争をする国家に向かいはじめていることを感じ始めたのです。
 政府の一存によって日本がアメリカとの同盟を保持し続けて自衛隊をアメリカ軍ともどもに海外にまで派兵するというのでしたが、加えて戦争行為をするための一連の法案がすでに衆議院を通過してし待っています。戦争に加担する、そんなことになったら青年たちは自分たちの将来を失い「怖くて震えてくる」という声があがり、その声にこだまが追いかけて「シールズ」というさまざまな学生たちが主張を始めるようになりました。
 この期にセンターは「北海道キリスト者平和の会」(委員長板谷良彦、かれはセンターの主事です。)と共催して『平和の祈り コンサート』を822日(土)16時からセンターの2階ホールで開催しました。
 1週間前15日(土)は札幌地区キリスト教連合会の祈祷会とデモに続きました。
 このコンサートを企画するにあたってセンターの常日頃の活動を支援して下さっている方々にご協力をねがったことです。幸いなことに札幌メールクワイア、ミシェーラ室内アンサンブル、そして当センターの聖歌隊の方々のご協力をえました。
 バッハの音楽、そして賛美歌を歌いました。その合間にとくに旧約聖書の預言者イザヤの言葉をアレンジしました。
 イザヤは、紀元前8世紀に活躍した預言者、神の言葉を人々に取り次いだ人です。当時イスラエルの宮廷と人々は西にエジプト、東にアッシリヤという大国に挟まれ、いかに安全に生きてゆくことができるか模索していました。その結果南と北に分裂しました。北の支配者たちは強大な軍事国家アッシリヤと同盟を結んで、かえって滅ぼされてしましました。南はやがてその独立と自主性を失っていきました。
 イザヤは人々の新しい共同体では神の正義が人々に大切にされるならば人々は平和に生きることができると告げます。「剣を打ち直いて鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。戦うことをしない。主の光の中を歩もう。」(24節)イザヤの預言を朗読しました。
 その間、沖縄のメロディで沖縄地上戦を経験した人々を描いた聖公会の賛美歌、そして昭和の初期、治安維持法、国家総動員法、太平洋戦争、西南学院の学生たちが学徒動員のために繰り上げ卒業を控えて学院から天神までの4キロを万感のおもいをこめて歌った「いざ起て、いくさびと」を歌いました。二度と青年たちの未来と生命を国家権力は奪ってはならない、との思いでした。そして終わりに「光の子たちよ」、「光のうちに歩め」と讃美歌をうたい、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」と奏でて締めくくりました。
 みな一緒になった会場の雰囲気、そしてじわりと心に平和のかけがいのないことを感じた、このような機会をまた持ちたいとの感想を寄せてくださいました。
 プログラム後半センターで合唱の練習を終えた方々が会場に寄ってくださいました。この企画に心を止めていてくださる方々は多いと感謝いたしました。
 夕刻、札幌大通りでは、青年たちが相集い、平和をつくりだそうとよびかかけていました。


                                     雨貝行麿

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