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Logos 今月の言葉

2015年10月

 

 

 

 敬愛する深瀬忠一先生の訃報が届いた。北海道新聞にも随分大きな枠を取って記事が書かれていた。
 私が深瀬先生と出会ったのはセンターに赴任してからなので、16年前にさかのぼる。すでに現役をすべてリタイヤされてからなので、現役のころの話は周りの人たちによって話を聞いた。道新の訃報の記事を見て改めて、北海道の中で大きな働きをされていたのだと実感した。深瀬先生は私の所属する北海道キリスト者平和の会で初期のころ委員長をされた。このキリスト者平和の会の創設は恵庭事件がきっかけとなる。恵庭事件を掲載した小さな道新の記事を北大の学生が発見し、当時北大の憲法学の教授であった深瀬先生に大変なことが起こったと指摘したことから、恵庭事件の野崎さんを支援する運動が広がっていく。恵庭事件、長沼ナイキ訴訟では住民側の特別弁護人として裁判に関わった。そこで話された平和に生きる権利という言葉「平和的生存権」が一審判決で大きな影響を与え。自衛隊違憲判決となる。「平和的生存権」という言葉は深瀬先生が生み出した言葉である。
 私はキリスト者平和の会の委員長になり10年となる。深瀬先生は一昨年までほとんど休むことなく総会に毎回出席してくださった。その際総会では委員長の情勢と報告をA4約4ページ程まとめるのだが深瀬先生にご指摘を受けるのではないかと毎回ドキドキしていたが、キリスト者平和の会の護憲運動・反戦運動は物凄く大切であり、「委員長の情勢と報告を全面的に支持します!」と、毎回お褒めの言葉をいただいたのが懐かしい。平和憲法をこよなく愛し、平和的生存権と戦争放棄を訴え続けた。また先の裁判を通して深瀬先生は「世論・弁論・理論」の三論運動の大切さをいつも力説しておられた。
 この夏からの安保法案関連では、若者やお母さんたちが声を上げ「世論」は声をだし、法律学者や法曹界の人たちが違憲の声をあげ「理論・弁論」ができあがり、まさに平和運動は三論運動なしにはできない事を実感した。残念ながら1度安保法案は通過してしまったが、平和憲法を守る運動はむしろこれからますます闘いが始まっていく。きっと先生も天国から「全面的に支持しますのでがんばれ!」と言ってくださるだろう。合掌

                              主事 板谷良彦  

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