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Logos 今月の言葉


2016年 4月 館長からのメッセージ
  

 

 

 過日、「カデル2・7」札幌駅前、北口すぐのところで『再生可能エネルギー』の講演会がひらかれました。「再生可能」のことですから講師の方々はどなたか、注目しました。そこに東北学院大学の卒業生で、いま「風力発電」の会社を経営している方の名前がありました。わたしの講義に出席していた方でした。記憶にあります。毎回、教室の右前方に座っていた学生で、空手もしていました。
 卒業後、茨城の地元で、家族で風力発電の会社を経営していることを知って、一度便りを出しましたら、すぐ事業のパンフレットを送ってくれました。大きな風力発電機の写真が同封されていました。札幌に出張の折には、講演を頼みたいと連絡して、そのご途絶えていました。 今回、講師の一人として札幌で講演をするということを知りましたので、講演母体の事務所を訪ねました。
 まず、窓口で、「失礼ですが、この企画を作るにあたってどうしてこの講師を知ったのですか。」若い職員は「とても著名な方ですから」。わたしは、うれしくなって、つい「わたしの教え子です」と言いました。笑顔がかえってきました。当然とはいえ企画をする方々が、すでに深い関心を抱いているのですね。感銘を受けました。講師の到着はいつごろですか。差し出がましいことをお聞きしました。すると「札幌にはすでに到着しているという連絡をいただいています。電話ではいま会場に向かっているとのことです、」とのこと。なぜか足取りが軽くなりました。
 その翌日です。センターに彼とそのご夫人が訪ねてくれました。卒業以来です。しかもご夫人同道です。ご夫人も東北学院の卒業生でした。
 新しい事業を手掛けた話を聞くことができました。以下そのお話です。
 初めは、風力発電の大きな羽30メートルを海岸に一基建設しました。国立公園法などによって風力発電機を設置する土地の確保がなかなか困難ですとのこと。しかし海外からの情報で海岸は有利、常時風があることと、なによりも住民の不安に配慮することでした。なにしろ新しい企画ですので、住民の方々にたとえ「再生ネルギー」と銘打っても、再生エネルギーに理解のある方がたでも、いざご自分の生活空間に建設されると不安は残るのです。
 そこでまず1基です。そしてわたしどもは事務所を現地につくりました。多くの訪問者があります。そこでひとつひとつに丁寧に説明しました。何しろ30メートルの羽が中空で回るのです。いろいろな意味で不安が出てきました。それを歓迎しました。わたしどもも勉強です。しばらくして3基加えました。すこしづつ増やしてきました。それが功を奏しました。地域の人々が受け入れてくれました。
 この活動を、まじめに地域の方々に説明したことが、その語り口で分かりました。またご夫人が片方で口添えしてくれました。お二人での作業の様子、遅々としていながら確実な工程がわかり、学ぶことが多いお話でした。いまでは10基、海上で風車を回して電力を供給している、とごく普通のこととして語ってくれました。壮観でしょう。うれしいですね。

 
                                     雨貝行麿

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