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☆ ドイツの街 ゾーストを訪ねる         2018年4月
ドイツのゾーストという小さな街を訪れました。ドイツの北西、ノルトライン・ウエストファーレン州にあります。10世紀に司教区がおかれ、街は周りを円い街道で囲まれた古いハンザ都市です。人口で旧市街に3万、プロテスタントになりましたがカトリックも共存しています。街の中央にはかつて司教座、いまはプロテスタントの大聖堂があります。民家の屋根は、赤い瓦で統一されていますが、ひときわそびえたつ教会堂はグリーンの砂岩で印象的です。この地下から掘り出されたものです。
 この街の中央広場近くに「デアコニッセ」の建物がありました。この働きは、プロテスタントの活動です。街には必ず、みなしご、寡婦、老人、身障者などやや日常生活に援助を必要とする方々がいますが、その方々のために公的な援助をする人とモノをたくわえている機構です。明るい雰囲気の中にきびきびと動いている人々がいました。
もう一つは、「カリタス」というカトリックの施設です。ガラス張りで陽光がよく注いでいる建物で、高齢者のための施設です。広い空間のなかで三々五々、テーブルを前にして座っている方々がいました。人に気づくとにっこりなさいます。ちょうど昼食時でした。食事時のときよりある喧噪さはありません。おいしい香りがただよっていました。
ドイツの小さな街の営みのひとつです。これがキリスト教の働きです。キリスト教の奉仕活動は実に長い歴史をもっています。そこで地域社会の信徒の人たちが支援活動をしてきました そしてさらに直接キリスト教ではないけれど、その精神、「小さなものたち」に対して公共的に支援する活動を惜しまないのが「ロータリー」です。この団体は、キリスト教の活動では手が回らない諸種の働きのなかで19世紀新たな問題状況にいち早く気付いた人々が社会の安定と人々へのきめ細かい福祉の精神を実現しようとして生まれました。
社会の種々の職業生活をしておられる方々が集まって、地域社会の「小さなものたち」、社会生活がままならない人たち、また将来をもたらす青年たちへの援助などを志している方々です。かれらは奉仕活動を最重要課題としたヴォランタリーを発揮しています。
ここも、とても小さな街でありますが、ひとが共同で生活するのに必要最小限度のことを公共的に整備してきたのです。さて街の中央のグリーンの砂岩を刻んで積み上げた教会堂の中にはいりました。ご婦人が案内におられましたので、いくつかの教会堂がみなグリーンの色をしていてとても印象的だと話しましたら、にっこりして「この地方の地下から切り出されたグリーンの砂岩です。」と自慢そうに話されました。
ドイツのプロテスタント教会堂にはよく案内のご婦人がおられます。そして教会堂を愛し、誇らかに由来と現在を語ってくださいます。 ゾーストの大聖堂でもゴシックの様式13世紀でおおきなパイプオルガンが備えられています。自慢です。壁には最近堅信礼をうけた少年少女たちの記念写真が貼られていました。大切な働きをしていることがうかがわれました。雨貝行麿