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Logos 今月の言葉

☆ 2018年7月

「平和の祈り」コンサートのこと。
今年は720日(金)19時から2015分まで2階ホールで開催しました。
プログラム1部はクリスチャンセンター聖歌隊(指揮、鈴木眞一さん)とミシェーラ室内アンサンブル(指揮、菅俊一さん)の協力と2部は大平まゆみさん、札幌交響楽団コンサートマスターの協力で実施いたしました。
コンサートの主題は「平和」です。今年は第1次大戦終結100年の記念です。19146月にサラエボで当時のオーストリア・ハンガリー帝国の皇太子夫妻が暗殺されました。当初はオーストリア帝国がサラエボ、つまりセルビアとの最後通告、しかしまさか世界戦争になるとは思われませんでした。青年たちは、外交交渉がつづいていると考え、夏の休暇を過ごしていました。オーストリア帝国は国内の反抗分子を抑えることで収拾がつくと考えていました。そこにドイツ皇帝が口をはさみ、またセルビアの後建になっていたロシア帝国がでてきました。それぞれののっぴきならない立場が戦端を開くことになります。
戦争に駆り出されるのはいつも青年たちです。かれらはクリスマスまでには戦争を終えて家族のところに戻れる、とおもって出征しました。この戦争では、航空機、戦車、機関銃、毒ガスが使用された過酷、凄惨なものでした。フランスの青年たちの戦闘帽は布製でした。
ドイツの青年180万、ロシア160万、フランス138万、オーストリア・ハンガリー120万の戦死者とその3倍を超える戦傷者たちをだして4年後ようやく終結しました。その凄惨な戦争の反省として「平和」を求める声が上がり、やがて俗人フランシスコ会が「平和の祈り」を作り呼びかけました。
しかしまた一方では、この戦争の締めくくりは、ドイツに片務的な過酷な賠償を課しました。ドイツ経済は破綻、市民はその日常生活に大きな不満と不安を抱えることになりました。その間隙にナチが台頭します。あるオーストリアの家族が、その政治的理由により「亡命」をする物語です。そのような時代の中から新たな歌が生まれ、多くの平和を尊ぶ人たちに歌い継がれました。その珠玉の歌の数々を聖歌隊とミシェーラ室内アンサンブルが挑戦しました。しかし亡命・難民はとどまるところを知りません。
1部は聖歌隊による合唱です。アメリカ映画『サウンド オブ ミュージック』の中で歌われた「Every mountain 」と「Edelweiss」、つづいて「アッシジのフランシスコによる平和の祈り」でした。
修道女を目指すマリアに院長がさとす。人生には山々が立ちふさがる、しかし夢を実現するまでそこを登れ、と。またいよいよ亡命するときになってアルプスの山やまを目前にしてバックミュジックとして流れます。また自分が生まれ、育てられ、交わりを与えられたhomelandよ、わが心の内で「永遠に高貴に香れ」とうたうEdelweiss です。
聖歌隊としては初めて英語で歌うのです。あらたな挑戦をしました。聖歌隊は従前には賛美歌がレパートリでした。最近はカンタータなどに進出し始めています。これに加えてミシェーラ室内アンサンブルとのコラボで「シャローム」でした。これも挑戦でした。聖歌隊、ミシェーラとの共同作業です。そしてなんと実りの多い経験だったでしょうか。新しい一歩の階段をかけ上りました。聖歌隊の歴史においてエポック・メイキングですね。感謝!!!

雨貝行麿